小児の発達不全症のセミナーに参加してきました!
先日、三沢市のよしだ歯科医院の歯科衛生士たちが「小児の機能発達不全症」に関する研修に参加してきました。スタッフたちはたくさんの学びを得て、これまでの知識や経験ををブラッシュアップさせることができたので、すぐにでも患者さんや地域の皆さまへ伝えたいという思いを持ち帰ってきてくれました。
日々診療していると、「歯が生えていれば食べられる」と考える患者さんが多いことに気づきます。確かに、歯は食べるための大切な道具です。しかし、それだけでは十分ではありません。実際には「噛む力」や「飲み込む力」、さらには「呼吸の仕方」「舌や唇の動き」などが正しく発達して初めて、本当の意味で「食べる力」が育つのです。
当院でも「うちの子はごはんをあまり噛まない」「口呼吸ばかりしている」「発音がはっきりしない」といった相談をよくいただきます。そこで今日は、「小児の機能発達不全症」についてお話ししていきたいと思います。


歯は「食べる道具」だけれど、それだけでは足りない
まず大切なのは「歯がある=食べられる」という考えを見直すことです。歯の数や大きさは、お母さんのお腹の中にいるときにすでに決まっています。つまり、生まれた時点で「歯の設計図」は完成しているのです。
しかし、実際に「噛む」「飲み込む」「話す」といった機能は、生まれてからの経験で育っていきます。赤ちゃんは最初、母乳やミルクを吸うことからスタートします。その後、離乳食を少しずつ噛む練習の場として経験し、固さや形を変えて食べる力を学んでいきます。
これはちょうど、自転車に例えるとわかりやすいでしょう。タイヤやペダルといった部品(=歯)は最初から揃っていますが、実際にスムーズに乗りこなすには、練習が必要ですよね。食べることも同じで、歯だけではなく、舌や唇、頬の筋肉、そして呼吸のリズムを組み合わせて「全身のチームワーク」で初めてできることなのです。
よしだ歯科医院でも、小さなお子さんに「噛む練習」「舌の正しい使い方」の相談を受けることが多くあります。歯を治すだけでなく、「食べる力を育てるお手伝い」をすることこそ、私たちの役割だと考えています。
機能発達不全症ってなに?
ここで出てくる「小児の機能発達不全症」とは、簡単に言えば「食べる力や口の使い方が正しく発達していない状態」です。
例えば、以下のような症状が見られることがあります。
- 食べ物をなかなか噛み切れない
- 飲み込みに時間がかかる、またはゴクゴク音がする
- よく口をポカンと開けて呼吸している(口呼吸)
- 柔らかい食べ物ばかりを好む
- 「サ行」や「タ行」の発音が不明瞭
小学生にわかりやすく言うと、「口のまわりの筋肉トレーニングが不足している」ということです。運動会で速く走るには足を鍛える必要がありますが、食べる力も同じで「噛む筋肉」「舌の筋肉」「呼吸のコントロール」を育てていかなければなりません。
もしこの発達が十分でないと、食べることだけでなく、歯並びや発音、さらには全身の健康にまで影響が出てきます。だからこそ、早い段階で気づき、サポートすることが大切なのです。
なぜ機能発達不全症が起こるの?
では、なぜ現代の子どもたちに「小児の機能発達不全症」が増えているのでしょうか?
授乳・離乳食の影響

赤ちゃんの頃、母乳より哺乳びんを多用すると、舌や顎をしっかり使う機会が減ってしまいます。また、離乳食を長くペースト状のまま与えていると、噛む練習が十分にできません。その結果、「噛む力」が育たないまま成長してしまいます。
柔らかい食生活

現代の食事は柔らかいものが多いのも原因です。昔は硬いお米、筋の多い肉、噛み応えのある野菜が多かったですが、今は加工食品や柔らかく煮込んだ料理が主流です。これでは顎の筋肉が鍛えられず、食べる力が不足してしまいます。
スマホやゲームによる姿勢の悪化

長時間うつむいてスマホやゲームをしていると、猫背になり、口呼吸が増えます。口呼吸は舌の位置を下げ、正しい噛み方や飲み込み方を妨げる大きな原因となります。
日常生活のサイン

「よく口を開けている」「食事に時間がかかる」「すぐ丸のみする」などは、すべて機能発達不全のサインです。こうした小さな変化に早く気づいてあげることが、子どもの将来の健康を守る第一歩になります。
三沢市のよしだ歯科医院では、こうしたお悩みについても積極的に相談を受け付けています。「もしかしてうちの子も…?」と少しでも不安があれば、早めに相談してください。
機能発達不全症が引き起こす悪循環
機能発達不全症を放っておくと、下記のような悪循環に陥ることがあります。
歯並びへの影響

噛む力が弱いと顎の骨が十分に発達せず、歯並びが悪くなります。歯並びが悪いと、さらに噛みにくくなり、ますます「食べる力」が弱くなるという悪循環に陥ります。
虫歯・歯周病のリスク

しっかり噛まないと唾液が出にくくなり、口の中が乾きやすくなります。唾液は「むし歯や歯周病を防ぐ天然の薬」のようなもの。唾液が減ると虫歯のリスクが高まります。
発音の問題
舌や唇の動きが育っていないと、発音が不明瞭になります。「サ行」や「ラ行」が言いにくいお子さんの多くは、舌の位置が正しく使えていないのです。
睡眠への影響(重要)

実は、舌の筋力が弱いことは「睡眠の質」にも大きな影響を与えます。舌の筋肉が十分に発達していないと、寝ているときに舌が喉の奥へ沈み込んでしまう「舌根沈下」という状態を引き起こします。これにより気道がふさがれ、無呼吸や強いいびきの原因になるのです。
小児にとって、良い睡眠は「成長ホルモンの分泌」「学習や記憶」「体の発達」に欠かせないものです。もしお子さんが毎晩いびきをかいていたり、呼吸が止まるような様子が見られる場合、それはただの癖ではなく「小児の機能発達不全症」と関連している可能性があります。
特に、子どものいびきは放置してはいけません。成長や集中力、学習面にも影響が出ることがあります。「うちの子、寝ているときにいびきをかいているな…」と感じたら、すぐに三沢市のよしだ歯科医院にご相談ください。 当院では「噛む力」や「歯並び」だけでなく、「呼吸」「睡眠の質」までトータルにサポートしています。
全身への影響
正しい呼吸ができないと酸素が十分に体に取り込めず、集中力の低下や姿勢の悪化につながります。これは勉強や運動のパフォーマンスにも関わります。さらに、睡眠不足が続くことで疲れやすくなり、情緒の安定にも影響します。
気になる方は、どうぞお気軽にご相談してください。


